プロテオグリカンは正しく働かせる信号を出す司令官

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プロテオグリカンは、化粧品のように塗った時だけでなく、ドリンクやサプリメントなどで経口摂取した時も機能を示します。そして、この両者は、全く異なる作用メカニズムで働いています。肌に塗った場合、プロテオグリカンが持つ活性作用は「直接的」に働きます。一方、経口摂取した場合、プロテオグリカンが免疫細胞に働いてからと「間接的」に働いています。

例えば、プロテオグリカンの摂取は、膝関節痛に良いことが示されていますが、本効果は、プロテオグリカンが膝に直接届くことでもたらされるものではありません。実は、腸管でプロテオグリカンが免疫細胞に働きかけ、体の防衛隊を正しく働かせる信号を出されることで抗炎症の機能性が示されているのです。

膝に痛みが生じている状態とは、自分自身の軟骨を体の防衛隊が異物として誤認攻撃している状態です。間違って軟骨が攻撃され続けるため、軟骨は増えることができず、すり減り続けて痛み（炎症）の原因を作ってしまうのです。

これが膝関節症の痛みのメカニズムなのです。痛みを緩和するためには、この防衛隊の誤った攻撃を止めさせることが最も重要なことなのです。

プロテオグリカンは、間違った攻撃を止めさせる信号を発信させ、防衛隊を正常に働かせることで膝関節炎を改善させているのです。

引用文献
Salmon proteoglycan suppresses progression of mouse experimental autoimmune encephalomyelitis via regulation of Th17 and Foxp3(+) regulatory T cells. Life Sci. 2012; 17;91(25-26): 1263-9
Attenuation of collagen-induced arthritis in mice by salmon proteoglycan. Biomed Res Int. 2014; 2014: 406453.

なお、プロテオグリカンの分解物であるコンドロイチンでは、こういった免疫細胞への働きかけが起こりません。また、たくさんのプロテオグリカンを摂取したからと言って、格段に効果が示される訳ではありません。

量を摂取するより「質の高いプロテオグリカン」を摂取する方が重要なのです。そして、このプロテオグリカンの質の管理するためには、壊れていないことを確認しながら、壊れていないプロテオグリカンの量だけを測ることが可能なＨＰＬＣ法と呼ばれる高度な分析方法で行われている必要があるのです。